試写会で見た.
なんとなく映画という感じがせず,
テレビドラマのようだった.
テレビを持たず,
ここ10年ぐらいはほとんどテレビドラマを見ていないのにそう言うのは的外れかもしれないが….
映画らしい力のある映像がないのがいちばんの理由だと思うが, それだけでもなさそう.少しネットを調べてみたら,この西谷弘という監督, テレビで鳴らしている人で,映画は初めてらしい.ま, そういうことなのだろう.
ネットで同じような感想を漏らす人がすぐに何人も見つかった. その一例.
TVの2時間ドラマだね。
映画としてはちょっと物足りない。
この映画には, 源氏鶏太原作を中心とした東宝サラリーマン喜劇と通底したものを感じる.シチュエーションはまるで異質かもしれないが,観客に与える効果において似通ったものがあるのではないか.
もっとも, ぼくはそれらの映画を当然リアルタイムで観ておらず, そのうちのほんのわずかを後年テレビで観たにすぎない. クレージーキャッツ物は丹念に観たが, あれらは鬼子と言うべきで, 東宝サラリーマン喜劇の正統とは決して言えないだろう.
ただ, 源氏鶏太の諸作については, おばが集めていたおかげで, 小学生の頃かなり読んでどれも好きだったので, 雰囲気は過たずつかんでいると思う.
一体に, 邦画というと,その始まりの頃に関して, 浅草六区だの, 丁稚・奉公人の娯楽だのといった連想がなぜか働く. 字幕をトレースできないような階級の人々が明日への活力を得ていたという, 当たっているかどうかもわからない, ほとんど偏見的な思いこみがぼくにはあり, その意味からは, 東宝サラリーマン喜劇こそ邦画の本流ではないかと考えている. この映画に,その遠いこだまを聞き取るのは, 配給が東宝だからという牽強付会ではないと思う.
というのも, 映画を見終わったときに, なにか元気をもらった感じがし, 自分が「改革」の余地がある仕事を持っていることに感謝する気持ちにさせられるからだ.
まさに,東宝サラリーマン喜劇ではないか.
もっとも,こうした映画は東宝サラリーマン喜劇に限らず,昔の邦画にはよくあったタイプかもしれない.
ネットで人の感想を読むと自分の立ち位置がよくわかってとても面白いが, そういう意味では, まるで異質な方の感想がためになる. たとえば, 下記に引用する,たにぐちまさひろ氏の感想を読むと, 氏が社会派であるというぼくの認識を再確認するとともに, オレって本当に自分のことしか考えていないエゴイストだなあと痛感させられる.
そして、この映画の中で気付く一番大切なこと。
官が悪い、民が悪いと足の引っ張り合いをするのではなく、長所も短所も受け入れながら、一緒になっていいものを創り上げようとする気持ち
なんだということ。
たにぐち氏の感想へのトラックバックから, どうもテレビドラマだなあという気持ちを的確に敷衍してくれているYin Yan氏のレビューを見つけた.
2時間11分かけて面白いテレビドラマのダイジェスト版を観た気分である。
言い得て妙.このレビューは引用した部分以外の記述も実に素晴らしく,必読だ.
もうひとつ,アロハ坊主さんの赤VS青という視点はとても面白く,ためになった.野村のネクタイの色なんて全然見てなかった!
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Yin Yan: 2006-03-06(月) 16:13:16
ああこれ映画にして欲しいな、って作品はあるけど
ああこれテレビドラマで観たいな、ってのもめずらしいですよね。
おっしゃるとおり映画らしくない映画でした。
確かにこういうのが本来の邦画スタイルなのかもしれませんね。
気楽に楽しめるけど金払うのはちょっとなあ・・
って感じの作品でした。