出張中にワーナー・マイカル・シネマズ板橋で観た.
最近観た映画の中では出色だと思った. 家族構成が同じであるうえ, 息子の年齢が佑司君と近いというせいもあるかもしれない. 子供, 病気で早世, ちょっと障害のある父親といった要素を揃えれば涙を誘うのは必至だし, 随所に泣かせようという計算もほの見えるが, 計算通り泣かされるのが癪にさわるなどと考えないで素直になれば, そばにいる人を大切にしようという気持ちにさせられる. 野口医師が生理的にいやだとか, 佑司君が2回「ママー」と叫ぶところなど(1回にしておけばいいのに), 二三の瑕はあるのだが, 全体としてはとても気に入った.
映像的にハッとさせられるようなシーンはそれほどなく(ひまわり畑はよい), そういう意味ではあまり映画的とは言えない. だが,脚本がそれを十分補っている. 原作を読んでいないので, ぼくがよいと感じたところが原作由来かどうかはわからないが, しっかり構成されているのは確かだ. なにより,タイムスリップもの(本来の意味でも, 過去を語って聞かせるという意味でも)に必須の細かな伏線がちゃんと張られているのがよい. 細部まで神経がゆき届いていて, 捨てショットというか, 後でまったく関係のない遊びみたいなものがまるでない. もっとも, それが芸術として一級であることに直結するかというと, もしかしたら逆かもしれないのだが.
澪が消えてからのツイストは予想外で, これが受け入れられない人には許せない映画になってしまうのだろう. でも, ぼくは悪くないと思う. タイトルの意味も, そういうことだったのかと,ここでわかった.
2点だけ首を傾げるところがある.ひとつは,結婚して6年も暮らしたのに, 最初に好きになった高校生の頃の話をまったく夫婦でしていないということ. それはあまりないのではないか.もうひとつはもっと不自然だと思う.妻が28歳で死んで, 20歳で現われたとき,夫が違和感を感じないものだろうか. もっとも, 死んだそのままで帰ってきているのではないということを受け入れているという前提ならよいのだが.
あと残念なのは, 消える少し前の澪のセリフが, 死んでいくときの澪の十数年の想いを代弁しているように聞こえてしまうこと. 佑司君に対して,あなたは幸せを運んできてくれたのよとか, あなたを生むためにパパと出会ったのかもしれないなどと言ったり, 巧に対して,あなたを好きになってからずっと幸せだったという意味のことを言ったりするあたりだ. いくら日記を読んでいても, 記憶はないのだから,6週間分の想いしかないはずなのに….
とはいうものの,このシーンのセリフは,下記に引用する,残していく側の無念さがよく出ているところなので,それを弱めてしまうのはつまらないしなあ.やっぱりあれでいいんだろうか.
またこういう「死が愛するものを分かつ」系では残された側の悲しみ、寂しさが強調されることが多いけど、この作品ではそれよりも残していく方が感じるであろう、肉体の死因(病気や事故など)以上の気持ちの苦しみ、寂しさがよく伝わってきた。
澪役の竹内結子は本当にいいというか,
かわいい.
照れて笑うときの顔は何ともかわいいし,
瞳がきらきらしていてきれい.
特に,
夫と子供を頼みに行って崩れてしまうところはうまいしかわいい.
最近,
テレビは一切見ないし,
映画もあまり観ていないので,
竹内結子も初めて知ったが,ファンになってしまった.
竹内結子は本当によかったけど, 中村獅童はもしかしたらそれ以上の好演だ. あの表情は何とも言えない. 特に泣きべそをかいているような表情はめちゃくちゃうまい.
ラストにかかる歌もいいけど, 絵本を見せる演出には感心した.
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